本ブログを読んでいただき、ありがとうございます。ここにたどり着いた方は、カスタマーサクセスのことを知り始めた人かなと思います。
しかし、少し調べてカスタマーサクセスについて理解し始めたものの、カスタマーサクセスという職種が自分自身に向いているのか、イメージが湧いてない方も多いのではないでしょうか。
他の情報を調べても、カスタマーサクセスの概要は分かるけど…専門用語や抽象的な表現で綺麗なことが書かれているものが多いため「実際どんな感じなの?」というのが見えてこない、、そんな気持ちではないでしょうか。
そこで今回は、未経験からカスタマーサクセスに転職して3年の実体験を踏まえて、具体的に「向いている人」「向いてない人」を説明したいと思います。
向いているかいないかの前に
カスタマーサクセスという仕事は、業界、規模、商品、ビジネスモデルによって、企業それぞれで本当に異なります。
ただ、基礎となるカスタマーサクセスの業務にら共通する点もあるので、その部分を中心に整理して書いています。
基礎の部分を知って自分に向いてそうだなと思ったら、実際に個別の企業のカスタマーサクセスについて知っていくことが大切です。それを念頭に、本記事を参考にしてみてください。
特に、こんな人はぜひ本記事を参考にしてみてください。
- 営業職を数年やってきたが、営業の管理職になっていきたいわけでもなく、将来に悩み始めている。
- コールセンターでカスタマーサポートをやってきたが、マニュアルに沿った対応だけでなく、もう少し深くお客様に関わって問題解決したい。
- 接客業をやってきたが、今後は企業や法人の営業もやってみたい。だけど、営業が向いているのか分からない。
カスタマーサクセスに向いている年齢や性別
まず、カスタマーサクセスの職種に適した年齢についてです。
年齢での向き・不向きはあるのでしょうか?
カスタマーサクセスは、まだまだ新しい職種で、サブスクリプションやSaaS型のサービスを持つIT企業で多く募集されています。これから、より様々なタイプの企業がカスタマーサクセスを募集すると考えていますが、現在はIT業界が中心になります。
新しいビジネスモデルを取り入れているベンチャー企業や急成長する上場企業での募集がメインになるため、企業自体の平均年齢が30代前半から中盤くらいが多いと感じます。
ですので、まず最初の考え方としては、比較的若いメンバーが活躍している組織で自分も働けるかどうかが大切になります。
そんなカスタマーサクセスは、個人的な印象としては、
20代後半、新卒で2-3年を経験した25歳から30歳前後の方におすすめです。
その理由は下記の通りです。
このあと詳しく述べますが、カスタマーサクセスでは、第二新卒や未経験でも募集対象になります。また、仮に未経験枠で入社しても、3年以上続けていくと、比較的若い年齢でカスタマーサクセスの一端の経験者として認められます。そして年収アップも狙っていくことも可能です。
カスタマーサクセスの職種は多様化の傾向にあり、今後は同じカスタマーサクセスと言っても様々な職種・キャリアパスを描いていくこともできるようになっていきます。
カスタマーサクセスには、女性で活躍している人もたくさんいます。個人の印象だと、カスタマーサクセスには、男性よりも女性の方が多いのではないかとも感じます。
ジュニアポジションで入っても(1)キャリアの枠を広げていけること、(2)早いうちにスペシャリストになれる可能性があること、(3)管理職への昇進以外にもキャリアの幅を広げられる機会があること。
これら3つのことから、25歳から20代後半の方で初めての転職でキャリアチェンジを考えている方にはおすすめの職種です。
一方、30代以降でカスタマーサクセスへキャリアチェンジを考える場合には、少し注意が必要です。どうしても転職市場では、30代になると「経験」「スキル」がより見られます。ジュニア枠として1からやるというのもアリかもしれませんが、これまでの経験をどのようにカスタマーサクセスに生かしていくかということが大切になります。
マネジメントの経験、営業/セールスの突出した経験、マーケティングの経験、コンテンツ制作やディレクションの経験など、自分自身の強みに「カスタマーサクセス」を掛け算できる状態にあることが好ましいです。
向いている年齢や性別のまとめ
- カスタマーサクセスという職種は、20代後半〜の人に向いている。特に転職初回の人や2回目の人に合う。
- それより上の場合は、カスタマーサクセスを理解した上で専門性のあるスキルを転用できることが大切。
- 性別は特に関係なし。女性も多く活躍している職種。
- いわゆる管理職への昇格以外にもキャリアを広げていける可能性がある。
カスタマーサクセスに向いている職種や経験
必須のスキルや経験
カスタマーサクセスでは、「カスタマーサクセス経験者」という人たちがまだまだ転職市場にいないため、「未経験採用」はもはや一般的です。ただし、誰でも採用してくれるかというと全くそうではありません。いくつか押さえておくべき要素があります。
まず第1に、カスタマーサクセスでは「顧客および社内メンバーと円滑にコミュニケーションを取ることができる」力が大前提で必要とされます。
特に1対1のコミュニケーション能力だけでなく、複数の人間が関わる環境下で物事を進めていけるように協調・連携を取っていけるコミュニケーション能力が必要になります。
コミュニケーション力という点で言うと、営業やカスタマーサポート、接客の経験がある人は、カスタマーサクセスの候補に入りやすいです。
ただ先ほど述べたように、対相手1名のコミュニケーション力をPRしたとしても不十分です。複数人の利害を理解しながら物事を進めていくことのできるコミュニケーション力が必要になる点を必ず念頭に入れておきましょう。
その他のスキルで必要になるのは、ITやパソコン、そしてITシステムに関する理解力です。これは、カスタマーサクセス職を募集している企業の多くが、IT系になるからです。
Microsoftオフィス(ワード、エクセル、パワーポイント)もしくはGoogle系ツール(ドキュメント、スプレッドシート、スライド)などを使えること、最低限のタイピングスキルやショートカットキーなどを用いた効率的なPC作業に慣れている状態があると良いです。
あると良いスキルや経験
上記以外で、私個人が大切だと考えているスキル・経験は、「カスタマーサクセス」と言うことのできる「仕事ぶり」です。
これは何かと言うと、例えば、営業・カスタマーサポート・接客などの今の自分の仕事で「いかにお客さんをハッピーにできたか」という経験のことです。
「カスタマーサクセス」にはたくさんの仕組みやテクニックがあります。しかし、それ以前に「カスタマーサクセス」とは「顧客の成功」を意味する言葉であり、それはどんな仕事においても意識できる考え方でもあります。
例えば、どうしてもお客さんのことが気になったり心配になったり応援したくなったりして、全然やらならくて良いのに、純粋にためになると思って何かやってあげた経験があったりしませんか?小さなことでも構いません。
私の場合は、採用・人材の営業をやっていたときに、ある会社さんの採用選考の現場を見させてもらったり、その会社の社長の本を読んだりして、その会社の採用課題を勝手にまとめてプレゼン資料にして渡しました。(その会社はすでに自社のサービスを契約していて売上には折り込み済みだったので、営業としてはあまり意味がない行動になります。が、それでも採用成功に向けて支援したかったのです。)
こういう想いや行動は、まさにカスタマーサクセスの根幹にあるものです。当時の私は「カスタマーサクセス」なんていう言葉は知りませんでしたが、いまカスタマーサクセスに携わってきて「あれってカスタマーサクセスそのものだったな」と感じることがよくありました。
ぜひ今の仕事で「顧客の成功」という意味のカスタマーサクセスを実践できる機会がないか、そんなことを実はすでにやっていないか探してみてください。そういう行動を取れる人はカスタマーサクセスに向いています。
向いている職種や経験のまとめ
- 「複数人が関わる環境下で物事を進めていくことのできるコミュニケーション能力」を持っている人はカスタマーサクセスに向いている。
- そこに加えて、IT・PCスキルがあると良い。
- 今の仕事がカスタマーサクセスではなくても、顧客の成功のために自ら顧客を支援してハッピーにできた経験のある人はカスタマーサクセスに向いている。
カスタマーサクセスに向いている考え方や価値観
カスタマーサクセスに向いているかどうか少しイメージが掴めたでしょうか?
改めてお伝えしたいのは、
「カスタマーサクセス」は職種である前に「考え方」である
ということです。
いま勤めているお仕事で、お客さんの笑顔のために、喜びのために、ハッピーのために、自ら動きたくなってしまったことがあれば、それは「カスタマーサクセス」の根本的な行動です。
ノルマとか売上とかタスクとかそういう範囲から飛び抜けて、目の前の人のため、相手のためを思って行動できる人はカスタマーサクセスに向いています。
また、自分1人で成果をとにかく出していきたいタイプの人よりも、チームで大きな成果を出していきたいタイプの人の方がカスタマーサクセスに向いていると思います。
カスタマーサクセスの仕事をすると、チーム内の連携や協力が想像以上に発生します。これは、営業や接客で自分1人で動いて成果を出せば良い、という考え方とは大きく異なります。
チームプレー・連携プレー・協力プレーというイメージで、個人プレーが好きな人からするとカスタマーサクセスの仕事は「物事を進めたいのに進められなくてもどかしい」という感じがするかもしれません。
この理由としては、カスタマーサクセスが、既存顧客を相手にしていて信頼というものがより重要になる(勢いよりもミスらないことが重要になりやすい)こと、単純な成約件数や売上ではなく解約率や活用度といった少し抽象的な目標を追っていくチームになることが挙げられます。
向いている考え方や価値観のまとめ
- とにかく目の前のお客さん、相手のためを思って行動できる人はカスタマーサクセスに向いている。
- 個人プレー・個人成果よりも、チームプレー・チーム成果を重視でき、じっくり物事を進めていける人はカスタマーサクセスに向いている。
カスタマーサクセスが向かなくて辛いと感じる人
最後に「こういう人はカスタマーサクセスに向かないかも!」という要素を挙げていきたいと思います。正直これまで語ってきたことの裏返しになっている部分もあります。それは、あくまで「バランスが大事」ということでもあります。
顧客に期待しすぎてしまう人(深刻になりやすい人)
カスタマーサクセスは、常にお客さんのために動いていきます。がしかし、お客さんといっても全員が全員ベストなお客さんというわけではありません。中には、なかなか難しいお客さんもいらっしゃいます。見込みがなければ一旦距離を取ることができる営業とは違って、どんな顧客に対しても接していく必要があるのがカスタマーサクセスです。
お客さんのために動くことが大事なのですが、「何がなんでも支援する」と気張りすぎているとしんどくなってしまうケースがあります。距離を置くところは距離を置いて顧客と関係性を作ることもときには大事なのです。
お客さんに期待しすぎてしまったり、ダメだったときに深刻になりやすい人は、カスタマーサクセスをやると大変なことになってしまうかもしれません。
チームメンバーに依存しすぎてしまう人
「カスタマーサクセスは、チームプレー・協力プレーだ」と述べてきましたが、自分の行動・アクションを常に周りに委ねてしまう人はカスタマーサクセスに向いていません。
カスタマーサクセスでは、多くの顧客を一斉に対応していく必要があり、各メンバーが顧客に対して何を提供していくべきなのか・どんなアクションをすれば良いのか自主的に考えることがとても大事になります。上長や他のメンバーが教えてくれない、構ってくれない、何をしたら良いのかわからない、こういう状態は「顧客の成功」を考えられていないので、カスタマーサクセスではありません。
自分でどんな打ち手が必要か考えるのが苦手な人
カスタマーサクセスでは、仕組みで「顧客の成功」を支援できるようにしていきます。しかし、日々の具体的なアクションでは、常に1社1社・1人1人の顧客に向き合うことになります。
顧客によって状況や進捗が異なるため、何をすべきか、どんなことを提供すべきか、自分で考えていくことがとても大切です。
決まったことしかできない、決まったことしか話せない、決められた枠組みの中でしか動けないという方は、カスタマーサクセスには向いていません。
地道にコツコツとアクションを積み重ねるのが苦手な人
カスタマーサクセスの成果は、一朝一夕で生まれるものではありません。
営業の仕事は、毎月毎月契約を取れるかどうかのヒリヒリ感がありますが、その分、分かりやすい「契約」というゴールがあります。それに対して、カスタマーサクセスの仕事は、解約率の低下や活用度の向上といった少し抽象的で、結果がわかるまで時間がかかる目標を追っていくこと基本になります。
地道にお客さんとコミュニケーションを重ねたり、問題を解決したり、顧客のサービス利用状況をモニタリングしたり、情報提供用に資料をまとめたり、「顧客の成功」という終わりのない道をコツコツと歩んでいくのがカスタマーサクセスの仕事と言っても過言ではありません。派手な成果・分かりやすい明確なゴール、いっそく飛び、一発逆転といった物事の方がモチベーションがあるという人は、カスタマーサクセスにはあまり向いてないかもしれません。
向いてない人のまとめ
- 顧客に期待しすぎてしまう人・深刻になりやすい人
- チームメンバーに依存しすぎてしまう人
- 自分でどんな打ち手が必要か考えるのが苦手な人
- 地道にコツコツとアクションを積み重ねるのが苦手な人
は、カスタマーサクセスには向いていない可能性が高いです。
カスタマーサクセス職の詳細を見てみよう
カスタマーサクセスの代名詞:カスタマーサクセスマネージャー(CSM)
カスタマーサクセスの黒子:カスタマーサクセスオペレーション(CS Ops)
「サクセス」をマーケティングする:カスタマーマーケティング
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