この記事を読んでくれている人は、「カスタマーサクセスという職種がなんか良いらしい」ということをどこかで聞いたことがあってたどり着いていただけたのではないでしょうか。
未経験でカスタマーサクセスになれるのか、カスタマーサクセスはキャリアチェンジ・次の転職先として考えることができるのか、気になりますよね。
まず安心して欲しいのは、今カスタマーサクセスに携わってる人たちは「みんな未経験だった」ということです。そして、カスタマーサクセスの発展のためにはこれからも未経験の方がキャリアチェンジしてくれることが必要です。
この記事では、私自身の経験も踏まえて、未経験からカスタマーサクセスになるためのステップや実際のキャリアチェンジ例をご紹介します。
カスタマーサクセスに未経験で転職できるのか?
結論、できます!
特に今はカスタマーサクセスの仕事の募集(求人数や採用枠)も増えているのでチャンスはたくさんあります。
とはいえ、未経験からカスタマーサクセスになるというのは大きな「キャリアチェンジ」にもなります。キャリアチェンジすることも大事ですが、それ以上にキャリアチェンジしたあとに仕事を複数年継続していけることの方がよっぽど重要です。
3年続けると更なるキャリアップが見える
カスタマーサクセスに転職するとしたらまずは3年続けることが大切です(「石の上にも三年」とはよく言ったものです)。これは、私自身の体験を振り返ってもそうですし、データから見ても明らかになっています。
私は、3年前にわずかな営業経験(当時は無職の状態)からカスタマーサクセスにキャリアチェンジする機会を得ることができました。そこから3年で、カスタマーサクセスの立ち上げ、アップセル・エクスパンション、カスタマーマーケティング、リーダー・マネージャー、CS Opsなど非常に多くの経験を重ねることができました。
今では自信を持って「カスタマーサクセス」が自分の軸の1つになったと感じています。下記の記事の中で私自身の体験・経験の詳細について書いていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
そして、求人サイトのデータからも、カスタマーサクセスを3年以上勤めると給与水準が高まる傾向にあるということも明らかになっています。
これらの観点から、「カスタマーサクセスになる」ということだけでなく、「カスタマーサクセスを続けられる」かどうかをぜひご自身でチェックしてみてください。
カスタマーサクセスを未経験者にお勧めしたい理由
カスタマーサクセスは「間口」が広い
カスタマーサクセスという職種は、下の実例でも説明しますが、非常に受け入れの「間口が広い」と考えています。つまり、色々な職種の方が転職できる可能性があるということです。
もちろん会社によって採用基準は異なりますが、基本的には「顧客折衝の経験」や「カスタマーサクセスに活かせそうな専門スキル」がある方であれば、ざっくりとカスタマーサクセスの用件に当てはまります。
今の職種がIT業界出なかったとしても、カスタマーサクセスへの転職は可能です。もし今の職種でより良い未来を描けなさそうな場合はカスタマーサクセスを検討してみることをお勧めします。
カスタマーサクセスの求人数(採用ニーズ)が増加中
昨今、新型コロナの影響などで様々な業界・職種に影響が出ています。悪いケースでは、解雇や勤務日数の制限などもあります。
一方で、カスタマーサクセスという職種は、現在も採用ニーズが非常に強く、求人数は増加傾向です。つまり、このポジションでは、様々な企業への転職チャンスが生まれているということです。
「正しい場所にいれば、豚でも空を飛べる」と言われるように、キャリアの選択においては、成長する分野・領域に自分の身を置くことは非常に重要です。
カスタマーサクセスになると年収とキャリアを高められる
カスタマーサクセス職種の平均年収は、日本の平均年収よりも高くなっています。つまり、中長期的な観点で、キャリアアップを見据えていける職種ということです。
キャリアチェンジで0からカスタマーサクセスを始めるとしても、先ほど上で述べたように、3年続けると想像以上に年収・キャリアを高められている可能性があります。
まとめると、カスタマーサクセスという職種は、①門戸が広く、②求人数・募集枠も増加傾向、③年収・キャリアを高めやすい、というメリットがあります。未経験から狙える職種で今ここまでメリットがある職種は非常に珍しいです。
ぜひカスタマーサクセスに興味を持ってもらえたら嬉しいです。
では、ここから未経験からカスタマーサクセスになるためのステップを伝えます。
カスタマーサクセスに未経験から転職するためのステップ
- カスタマーサクセスについて理解を深める
- カスタマーサクセスとして関わりたい業界や企業を見つける
- 自分の経験・スキルでカスタマーサクセスに活かせることを言語化してまとめておく
- いまの仕事でカスタマーサクセスに近しいことができないか探してみる
- 転職活動を行う
- 【ゴール】カスタマーサクセスとしてキャリアチェンジ成功
カスタマーサクセスになるためのステップをまとめると、上記の流れになります。
具体的に、1つ1つ各ステップを説明していきます。
カスタマーサクセスについて理解を深める
これはどこまで行っても終わりがないことですが、「カスタマーサクセスって要するに何?」ということが自分なりに理解できたら一旦大丈夫です。
- カスタマーサクセスが生まれた経緯や背景
- カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
- カスタマーサクセスの具体例3つほど
- カスタマーサクセスの専門用語
これらのことがある程度わかれば十分です。具体的なキャリアについてはまだ考えなくて良いです。まずはカスタマーサクセスの考え方や取り組みに興味を持てそうか確かめましょう。
あとは『カスタマーサクセス転職』にある記事をいくつか読んでもらったり、そのほか気になったことをネットで見てもらえたらOKです。
カスタマーサクセスとして関わりたい業界や企業を見つける
カスタマーサクセスについて理解できたら、次はカスタマーサクセスとして関わりたい業界や企業をざっくりで良いのでいくつか見つけます。
カスタマーサクセスというのは、あくまでビジネスの考え方の1つであり、技能・手段の1つに過ぎません。「カスタマーサクセスをやりたい!」というのは手段が目的になってしまってる状態なのであまりお勧めしません。(本当に好きなら話は別ですが。)
まずは、どんな業界でどんなお客さんを支援したいか、どんなテーマでどんな顧客に関わっていきたいか、という目的をイメージして定めることが大切です。
IT・ソフトウェアというのが基本的には軸になりますが、IT・ソフトウェアはいま様々な業界に浸透しています。IT業界・IT系の会社に入るにしても対象とする業界や顧客は本当に様々あります。
- セールスの業務効率化のカスタマーサクセス
- 人事労務の業務効率化のカスタマーサクセス
- 建設業界の業務効率化のカスタマーサクセス
- 製造業界の業務効率化のカスタマーサクセス
- 教育や学習塾の業務効率化のカスタマーサクセス
- D2Cブランドを愛用してくれてるユーザーのカスタマーサクセス
- 雑誌を定期購読してくれている人のカスタマーサクセス、などなど
もちろんまだカスタマーサクセスが浸透していない分野・領域もありますが、今後もカスタマーサクセスの考え方はさらに多くの分野に広がっていくでしょう。どういうことに興味があるか、どんな業界に携わってみたいか考えてみましょう。
自分の経験・スキルでカスタマーサクセスに活かせることを言語化する
カスタマーサクセスへキャリアチェンジする際に大事になるのは、今まで自分が経験してきたことや培ってきたスキルをカスタマーサクセスの中でどのように活かしていくのかを事前に考えておくことです。
営業、サポート、接客、マーケティング、データ分析、執筆、コンテンツ制作、ディレクションなどのスキルをそれぞれお待ちだと思いますが、それを使ってどのようにカスタマーサクセスに転用していくかです。
例えば、私の場合は、「営業の経験をカスタマーサクセスにも応用してアップセルやエクスパンションの仕組みを作ることに貢献したい」というのが最初に決めたことです。
これがあるかないかは実際の面接時にも影響してきますので、ある程度の方針レベルで良いので決めておくと良いでしょう。
今の仕事でカスタマーサクセスできないか探してみる
もし今すぐ転職やキャリアチェンジを考えてるわけではなく、半年とか1年とか時間があるなら、今の仕事でカスタマーサクセスに近いことができないか考えてみましょう。自分個人の範囲でも構いません。
- 例えば、営業をやっているのであれば、セールス・契約後の再契約率やリピート率が高くなるように営業してみたりフォローアップしてみたり。
- サポートをやっているのであれば、顧客の声を自分で集めて傾向を調べてみたり、顧客満足度が高くなるようなアイデアを提案してみたり。
- 接客をやっているのであれば、顧客のことをより深く知って商品のこと以外にも相手に役立つ情報を提供してみたり。
小さな範囲でも良いので、こういう経験を作っておくとカスタマーサクセスの選考や面接の際にアピールできるようになります。
転職活動を行う
ここまで整理できたら、転職活動を本腰で始めて問題ないでしょう。実際の面接のときに話せることや相手に聞けることも増えてると思います。
理想は自分が携わりたい業界のカスタマーサクセスができることですが、やはり会社がちゃんとしているか、自分のスキルや経験を発揮しやすい環境かという点も同じくらい大切です。
まずは3年(もし良ければそれ以上)、カスタマーサクセスに関わることで自分の経験やキャリアをより高めることができれば、高まった経験やスキルを活かして好きな分野にいつでも入っていくこともできます。
会社選びの際にはぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
カスタマーサクセスに未経験で転職する事例
実際に私が見てきた未経験からカスタマーサクセスになる(キャリアチェンジする)例です。あくまで例であり、他のパターンと出会い次第、追加していきます。ここにあるものだけが正解ではないです。ぜひここにない職種の人でもカスタマーサクセスに興味があればチャレンジしていただきたいです。
「営業(新規・既存営業)」からカスタマーサクセスに転職
私自身もこのケースです。元々営業をやっていて、その経験をカスタマーサクセスに活かしています。活かしやすいポイントは、営業として培った「顧客管理」「目標・数値管理」「提案・プレゼンテーション」「顧客の懐に入り込む力」などです。
ただし、営業経験があれば100%カスタマーサクセスになれるというわけではありません。意外と注力するポイントが違ったりします。詳細はこちらの記事をご覧ください。
「カスタマーサポート」からカスタマーサクセスに転職
コールセンターも含めたカスタマーサポート経験者が、カスタマーサクセスになるケースはよくあります。サポートで培った「顧客対応力」「コミュニケーションのマナー・品」などが優れている方が多いです。
一方で、カスタマーサクセスになると、受動的(リアクティブ)な対応だけでなく、能動的(プラクティブ)な対応が必要なりますし、顧客対応の正解のマニュアルがあるわけではないので、サポートに「自主性」「能動性」を持たせていけるかが大事なポイントになります。
「接客」からカスタマーサクセスに転職
接客というと様々な接客がありますが、お客様のために何かを企画して提供したり(ホテルやレストランの店舗運営など)、お客様と何かを一緒に進めていったりする(ブライダルなど)接客経験がある人が、カスタマーサクセスになって活躍することがよくあります。
カスタマーサクセスになったときに少し大変になるのは、IT関連の知識やソフトウェアに慣れることが挙げられます。また、カスタマーサクセスになると、1顧客との関係性がより長くなったり、同時並行で担当する顧客が増えたりする可能性があるのでそこに慣れていくことが大切になります。
「人事(採用・研修担当)」から カスタマーサクセスに転職
人事担当として企業内の組織・チームの研修を担当してた方や、採用担当をしていた方はカスタマーサクセスに向いているところがあります。対顧客でコミュニケーションを取るわけではないですが、対社員にプレゼンで何かを説明して動かしたりする経験はカスタマーサクセスに近いものです。また、採用担当者は自社の面接を受けてくれる候補者に自社のことをプレゼンしたり、フォローアップをしたり、「候補者をサクセスさせる」という点でカスタマーサクセスと似てると言えます。
「コンサルタント」から カスタマーサクセスに転職
コンサルタント経験がある人でカスタマーサクセスになるケースもあります。この場合のカスタマーサクセスは、例えば「企業のDX」を推進するような大規模なカスタマーサクセスのプロジェクトマネジメント担うパターンが多いです(外資系の大手IT企業のCSなど)。
コンサルタントのときよりも「実行」という点が強くなるので、分析やプランを敷くだけでなく、実施に顧客を動かして実行させていくところまで踏み込んでいけるかが大切になります。
「編集者・ライター」からカスタマーサクセスに転職
編集・ライターとして、文章のコンテンツ(本、雑誌、ウェブメディアなど)に関わっていた人が、カスタマーサクセスのコンテンツ作成やカスタマーマーケティングで活躍できるケースがあります。既存顧客向けに、オンラインマニュアルや説明書の作成、オウンドメディアの運営やメールマーケティングなどの施策を実施するときにそのスキルが重宝されます。
ただ良質なコンテンツを作るというだけでなく、コンテンツを通して顧客を動かしたり、デジタルなアプローチで効果検証してコンテンツを柔軟にブラッシュアップしていく感覚に慣れていくことが大切になります。
「Webディレクター」からカスタマーサクセスに転職
Webディレクターとして、クライアント対応やウェブメディアのディレクション・コンテンツ設計を経験した人が、カスタマーサクセスとして既存顧客のオウンドメディアを含めた「情報発信」のディレクションを担当して活躍するケースがあります。
カスタマーサクセスになった場合には、何よりも「顧客理解」が重要になります。対顧客のコミュニケーション経験が他の営業や接客などと比べると少なめなことが多いので、この顧客理解をどこまで深めていけるかが大切なことになります。
「イベント運営」からカスタマーサクセスに転職
イベント運営などのプロモーション企画を経験した人が、カスタマーサクセスとして、ユーザーコミュニティの運営やイベント企画を担っていくことで活躍するケースがあります。日本のカスタマーサクセス界隈でも「コミュニティサクセス」「コミュニティタッチ」「コミュニティマネージャー」という言葉が広がってきています。
こちらもやはり「顧客理解」ということが非常に重要になります。イベントや企画を無事に実行するだけでなく、顧客をサクセスさせる活動を実施できるかが大切になります。
まとめ
いかがでしたか。未経験からカスタマーサクセスに転職する方法をご理解いただけたでしょうか。未経験だからといって諦める必要はありません。日本のカスタマーサクセスには、様々なスキルを持った人材が必要です。
興味のある方や不安がある方は、ぜひ気軽に私にTwitterなどでご相談ください。